「コーヒー豆について」カテゴリーアーカイブ

今年もチェリーの収穫がはじまりました。

12月に入りコーヒーチェリーは赤く実り、ついに収穫がはじまりました。

ネパールでは12月半ばから3月半ばあたりまでが収穫の季節です。

当店にも初物が届きました。

周辺の農村部から届いたコーヒーチェリー。

ラトナヒマラヤンコーヒーでは、個人から買い取るコーヒーはドライチェリーにしてアンウォッシュド精製をしています。

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届いた初物は約3.3キロ。

緑や黄色の物を取り除き、バケツにはった水に入れて浮いてくる実も取り除きます。

欠点豆が混じりやすいアンウォッシュド精製ではこの過程がとても大切。

残りは約3.2キロになりました。

 

新鮮なコーヒーチェリー。

とてもみずみずしくて、ながめているとなぜか楽しい気持ちにさせてくれます。

 

 

村人のコーヒー その①ー天日乾燥し過ぎのパーチメント豆。焙煎して飲んでみる。

見たことのない色のパーチメントコーヒーがやって来た…

とある村人が担いで持って来てくれたパーチメントコーヒー。

普段見るのとは明らかに違う。

かなり褐色化している。

 

聞いて見たところ、

2、3ヶ月も天日に干し続けたという…

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果たしてどんな味のコーヒーになるのだろう…

 

果たして中身は? 恐る恐る生豆を取り出してみる…

ということで、まずは生豆を取り出してみます。

 

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左が取り出した生豆。見ての通り、中の生豆も驚きの褐色です!

 

右はニュークロップの生豆ですが、違いは歴然です。

生豆に混じってたら間違えなく欠点豆として取り除かれるでしょう…。

 

これ、オールドクロップの生豆に似ているような…

この豆、オールドクロップとして扱われる収穫年から3年以上経過した生豆とちょっと雰囲気が似ています。

角の取れたとてもすっきりとした味、悪く言えば平坦な味…とも言われるオールドクロップ。

この干しすぎパーチメントの豆もそんなふうになってたら嬉しいなぁ…と、かすかな期待をしつつ焙煎してみます。

 

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右が今回の干しすぎパーチメントの焙煎豆。左が通常の焙煎豆。

干しすぎパーチメント豆も問題なく焙煎できました。

むしろ通常のものよりよく膨らんでいて美味しそう。

豆の切れ目が白く残り、一応ウォッシュド精製であったことも判明。村人は手間をかけてくれた様子ですね…。

 

超天日干しコーヒー。頂きます!

焙煎中は通常の豆よりちょっと香が弱い感がありましたが、

味はどうでしょう?

飲んでみたいと思います。

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ビックリ!! 美味しいです!!ホントに!!

 

香りはやはり弱めですが、雑味のないすごくすっきりとした味。

平坦と言えば平坦ですが、これはこれで好きな人が絶対にいます!

ウォッシュド精製なのもスッキリ感の理由かもしれません。

 

もっと浅めに焙煎しても美味しいかもしれません。

 

使い物にならないかな…と思っていた豆でしたが、以外な結果になりました!

 

 

村人のコーヒー その①ー天日乾燥し過ぎのパーチメント

ポカラ周辺の村人がよく生豆を売りに来てくれます。

よく勉強しておられる方から自己流の超適当精製…のものまで、やってくる生豆は様々。

摘んだばかりのレッドチェリーもあれば、コッコ、パーチメント、グリーンビーンズまでいろんな形でやってきます。

収穫期後半に雨が降りはじめるネパールの気候を考えるとウォッシュド精製が最も適していそうなのですが、まだその方法を知らない村人が持ってきてくれるいろんな豆を焙煎して飲んでみる。

これはこれでなかなか楽しい経験です。

 

最近やってきたパーチメント。みるとやけに赤茶っぽく色づいています。

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通常のパーチメントと比較すると違いは歴然。(袋に入っているのが通常のもの)

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一見、パルプドナチュラル精製で作られたパーチメントのようにも見えるのですが、でも実は聞くとこのパーチメント、2、3ヶ月間も天日干ししていたそうです。

パーチメントの場合、天日乾燥はたいてい10日から2週間くらいですが、「よーく陽に当てるらしいよ…」という噂を聴いて、ひたすら干しておいた…と。

さて、中の豆はどんな様子なのでしょうか?

 

 

 

雹の季節がやってきました。

7000メートル級の山々が間近に迫るポカラ市。

春の天気は非常に変わりやすくて、数時間後の予想もつきません。

この気候、コーヒーの生産者にとってはとっても不都合…。

雲行きが怪しくなると、急いで天日干し中のコーヒー豆をしまわなくてはなりません。

そして収穫真っ最中の3月から4月、さらにコーヒー生産者の敵となるのが、たびたび降る雹です。

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それほど大きくはなく直径1cmから大きくても3cmくらい。

でも、積もるように降ります。

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コーヒーは実の中の種子を食べますから雹に当たってもそれほど問題はないのですが、やはり枝が折れてしまうと来年の収穫に影響します。

雹対策という意味でも、シェードツリーがしっかりと茂った環境が良さそうです。

 

 

イエロー・カツーラとレッド・カツーラ、味の比較をしてみる。

ネパールで生産されているコーヒーはほぼ全てがアラビカ種。

アラビカ種の中にもさらに多くの種があり、ネパールでもティピカ種、ブルボン種、カツーラ種、カツアイ種といった様々な種が混在しています。

ネパールで最近注目されつつあるのが、イエロー・カツーラという品種。

まだまだ数は少ないものの、生育がよく実の付きも安定していることが観察されています。

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イエロー・カツーラはその名の通り黄色い実のコーヒー。たいていのコーヒーは赤い実ですので、その希少性ゆえに少し高めに取引されます。

ネパールでは将来への投資として自分の土地にコーヒーを植えたいという方が現在急増中。そして、多くの方がせっかく植えるなら高く売れる可能性のある品種をと考えておられます。そこで注目されているのがこの黄色い実のコーヒー。

実際にレッド・カツーラとイエロー・カツーラ。味にはどんな違いがあるのでしょうか。

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生産者の土地にちょうど二つ並んで植えられているのを発見。[写真手前:レッド・カツーラ、写真奥:イエロー・カツーラ]

隣同士の木、同じ年に植えられた木、同じ生育条件。

果たして赤と黄色、味にどんな違いがあるのか。これから確認してみたいと思います。

今回は、特徴のある味わいが出やすいと言われるナチュラル精製でいきます。それぞれの木から約150粒づつ収穫。

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バケツの水につけて、水に浮く実を取り除きます。

あとはしばらく天日干し。

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そして、飲める日を待ち望みつつ、ひたすら乾かします。

最近はまだ気温が低く日差しが弱いので乾燥が完了するまで一ヶ月以上はかかりそうですが、水分量13パーセントを目指して辛抱・・。

さて味にどんな違いがでるのか?とても楽しみです。

こんな楽しい実験ができるのは生産国に住んでるゆえの特権ですねぇ。

 

 

☆高級グレードのネパールコーヒー生豆☆ラトナコーヒー

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ネパール カスキ郡 アディカリ村農協    2015年 ニュークロップ

ブルボン種   スクリーンサイズ15-17 ウォシュド精製  天日乾燥

 

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細心の注意を払って欠品豆を取り除いています。

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日本での販売は現在準備中です。

詳細についてはメール????にてお問い合わせください。

事前予約も承っております。

 

 

雨季の終わりが間近です。

ネパールで一番たくさん雨が降るポカラ。

雨季には洪水のような雨が緩やかな傾斜のついたポカラの街を駆け下りていきます。

そんなちょっと大変な時期が過ぎ、みんなが大好き秋の到来です。

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秋のヒマラヤは最高!

雨季には山の上ではたくさんの雪が降り、だから雨期明けのヒマラヤは宝石のように真っ白に輝きます。

 

この時期、昼間の低地との気温差が大きいため、ヒマラヤは昼前には雲に遮られてしまいます。だからヒマラヤが綺麗に見えるのはたいてい朝だけ。

午前中段々と曇っていくのは残念、でもこの雲が日中の強い日差しからコーヒーたちを守ってくれてると思うと嬉しくなる今日この頃。

まだ緑色のコーヒーの実がゆっくりゆっくり大きくなっています。

 

私たちの拠点、ポカラ市。

私達ラトナヒマラヤンコーヒーの拠点はポカラ市。

ネパール第二の都市ですが、人口は30万人程。それほど大都市ではありません。

ヒマラヤの雪解け水に潤された緑豊かな場所です。

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上の写真は市街の西側の丘から東側を眺めた景色。市街地の標高は800mから950m。なんとなく北に向かって傾斜のついた地形です。

 

当社が扱うコーヒー「マチャプチャレ」は、ここポカラを囲む山々に点在する産地で収穫されたものです。

そのほとんどが小規模農家。残念ながら“良い質のコーヒーを作ろう!”という概念をもった生産者は今のところほんの一握り。

それでも少しづつですが、コーヒー栽培に本腰を入れ、年々工夫を重ねて美味しいコーヒーのために頑張っている生産者が増えてきています。私たちはそんな生産者を特に応援しています。

ラトナヒマラヤンコーヒーでは、安定供給のできる組合もしくは農園からのコーヒーのみを「マチャプチャレ・プレミアムコーヒー」として販売しています。

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シングルオリジンの生産者が見えるコーヒー。

今後も産地で頑張る生産者について情報を発信していきます。

 

 

 

 

 

考察:コーヒー栽培とネパール ②日照

質の良いアラビカ種コーヒーの生産地として世界の注目を集め始めているネパール。

コーヒーを育てるのに必要な生育条件としてたいてい挙げられるのが、①雨量  ②日照  ③気温  ④土質 の4点です。

今回は ② 日照について、マチャプチャレコーヒー生産地の特徴と取り組みについて書かせていただきます。

日本ではコーヒーノキとして観葉植物としても親しまれているコーヒー。

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観葉植物としての育て方について書かれた本も数多くあります。その中で必ずと言えるほど書かれていることは、

「日光を好むが真夏の直射日光には弱い」「明るい日陰を好む」という点です。つまり、コーヒーの木には日照は必要、しかし日差しが強すぎてはいけません。この点は当然生産地でも同じです。

ネパールは月ごとの平均日射量が3.6-6.2 kWh/m2/day 。日本の東京は2.7-4.5 kWh/m2/dayですから日本の1.5倍近い日照があります。一年に約300日の日照があるため、最近では国としての太陽光発電も推し進められているほどです。

このように日照は十分に確保できます。しかし逆に、コーヒーの木に当たる強い直射日光をいかに程よく抑えられるかが重要になります。

 

「マチャプチャレ」生産地では主に二つの方法によって、コーヒーへの日照コントロールが行われています。

一つは自然による日照コントロール。

マチャプチャレの生産地ポカラ周辺は、北側に迫るアンナプルナ連峰との大きな高低差により気温の変化が生じ、日中に濃い霧がひんぱんに発生します。下の写真のように、日差しの強い晴れた日にはたいてい産地は雲に包まれ、太陽の光が和らぎます。image

 

二つ目は人工的な日照コントロール。

生産者は様々な工夫をこらして日照のコントロールを図っています。

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上の写真はライチの森を利用して日照コントロールしている様子。逆にライチの木が密な場所では、日照が抑えられすぎて元気のないコーヒーの木も見受けられます。

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上の写真の場所では、もともとある木々が南側に来る配置でコーヒーの木を植え、日差しが強くなる時間帯にコーヒーに当たる直射日光が和らぐように工夫されています。

 

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上の写真は、バナナの木を使った日照コントロールを試験的に始めたエリア。バナナの木は大きくなるのが早く、大きな葉がコーヒーの苗に当たる直射日光を遮ってくれています。

最近は他にもマカダミアナッツの木をシェードツリーとして共に植える試みも始まっています。

生産者は、木や実の育ち具合やコーヒーの味を確認しながら、日照を人工的にコントロールするため様々な工夫をしています。経験が蓄えられていくにつれて今後一層美味しいコーヒーが出来ていくことでしょう。

ネパール人は村の暮らしが大好きです。自分の村の自然をこよなく愛します。そこで育てられる環境に優しいサスティナブルなコーヒー。

ラトナヒマラヤンコーヒーの「マチャプチャレ」を、是非一度ご賞味ください。